温泉の泉質について種類と効能をチェック

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温泉の泉質は多様

医学的に治療効果のある温泉を療養泉といいます。療養泉は10タイプあり、湧き出た温泉を温泉法に基づいた分析をして、その成分からどれに分類されるか決まります。また、含有成分が温泉法の規定量に満たなかった場合でも源泉の温度が25℃以上である単純温泉も療養泉の1つとされています。

自分のからだの症状に合わせて、温泉選びの参考にしましょう。

泉質と効能

()内は旧表記です。

二酸化炭素泉(炭酸泉)

炭酸ガスの小気泡が肌に付く泡の湯で、低温ですが保温効果が高くなっています。

この保温効果から高血圧、動脈硬化、運動麻痺、筋肉痛、関節痛、打撲、切り傷、冷え性、更年期障害、不妊症によいとされています。

また、飲泉では慢性消化器病、慢性便秘によいとされています。

下痢のときは飲泉を禁じられています。

炭酸水素塩泉(重曹泉、重炭酸土類泉)

皮膚の角質を軟化させ肌がなめらかになる冷の湯です。浴後に清涼感があります。入浴と飲泉で痛風、糖尿病、肝臓病、胆石、慢性胆のう炎、慢性消化器病によいとされています。

筋肉痛、関節痛、打撲、切り傷、慢性皮膚病などにも効果があります。

高血圧症、腎臓病の方は重曹泉の飲泉は控えてください。

塩化物泉(食塩泉)

高齢者向きで良く温まる熱の湯です。皮膚に塩分が付着するため、保温効果・循環効果があります。

筋肉痛、関節痛、ねんざ、冷え性、慢性婦人病、月経障害、不妊症、病後回復によいとされています。

入浴と飲泉で貧血、慢性消化器病、慢性便秘にも効果があります。

高血圧症、腎臓病、心臓病、むくみのある方は飲泉を控えてください。

硫酸塩泉(石膏泉、芒硝泉、苦味泉)

動脈硬化の予防になる中風の湯です。飲むことで胆のうを収縮させ、腸のぜん動運動を活発にさせる効果があります。

石膏泉は入浴と飲泉で高血圧、動脈硬化、糖尿病、慢性皮膚病、打撲、ねんざ、筋肉痛、関節痛によいとされています。

芒硝泉は高血圧、動脈硬化、外傷によく、入浴と飲泉で胆石、便秘、糖尿病、痛風に効果があります。

苦味泉は芒硝泉と同じ効能となっています。

含鉄泉(鉄泉、緑礬泉(りょくばんせん))

湧きだしたときは無色透明、空気に触れると酸化して褐色になります。

入浴と飲泉で貧血、慢性消化器病、痔によいとされています。入浴は月経困難症、筋肉痛、関節痛、更年期障害、慢性皮膚病に効果があります。

褐色に濁った温泉水は効力が落ちています。

強酸性の鉄泉は乾燥肌の人には向いていません。

硫黄泉(硫化水素泉)

含まれる硫化水素ガスのにおいが特有で刺激の強い湯です。換気の悪い浴室では中毒を起こすことがあります。殺菌力が強く、表皮の細菌やアトピー原因物質を取り除く効果が期待されます。

高血圧、動脈硬化、慢性皮膚病、慢性婦人病、筋肉痛、関節痛、痔などによいとされています。入浴と飲泉で慢性消化器病、糖尿病、便秘、痛風に効果があります。

乾燥肌の人には向いていません。

酸性泉(明ばん泉)

肌にしみる強い刺激があり、口にすると酸味を感じます。殺菌力が強く湯ただれを起こすこともあります。慢性皮膚病、慢性婦人病、月経障害、筋肉痛、関節痛、糖尿病によいとされています。

入浴と飲泉で貧血、慢性消化器病に効果があります。

肌の弱い人は浴後に真湯で流した方がいいでしょう。高齢者で肌の弱い人には向いていません。

放射能泉

尿酸を尿から出すので痛風の湯といわれます。温泉中に含まれる放射能は気体で、湧き出したあとは空気中に散ってしまうので心配はありません。

高血圧、動脈硬化、慢性皮膚病、慢性婦人病によく、入浴と飲泉で痛風、慢性消化器病、神経痛、胆石、筋肉痛、関節痛に効果があります。

含よう素泉

平成26年7月の鉱泉分析法指針の改訂で新たに加わった泉質で、改訂後の温泉の再分析でも定義に当てはまる温泉地が少ないためあまり知られていない泉質です。

非火山性の温泉に多く、放置すると黄色く変色します。実は日本はよう素の主要生産国で、世界2位の生産量を誇っています。

浴用の泉質別的適応症がなく、飲用の泉質別適応症が高コレステロール血症のみです。

ただし、甲状腺機能亢進症がある場合は控えてください。

単純温泉

無色透明で無臭、含まれる成分が少なく刺激が少ない湯で高齢者に向いています。少ない刺激から入り心地がよく幅広い利用範囲で使えます。

病後回復期の静養、手術後の療養、骨折・外傷後の療養によいとされています。飲泉は軽い胃腸炎によく、尿量は増します。

日本では「中風の湯」「神経痛の湯」など名湯が多く存在します。

水道水を沸かした風呂でも効能はある

9種類の温泉の効能を見ると、多くの効能が被っていることに気が付くでしょう。これは一般適応症といって特別な成分が入っていなくても入浴によって効果が期待される症例です。

単純温泉がこれにあたります。

つまり、家のお風呂でも温泉と同様の効果が得られるということです。

これにも禁忌症があり、温めると症状が悪化する病気や外傷がある場合がこれにあたります。

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