温泉の分類

erwinbauer / Pixabay

旅行などで温泉地に行ったとき一度は目にするのが温泉分析表ですね。

じっくり読むと化学用語が満載でなんだか小難しいなぁと思いませんか?

温泉はその性質で分類され、呼び名も変わってきます。大雑把に把握することで「なぁんだ、そんなことか」という感覚になっていただければと思います。

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泉温(温度)による分類

温泉は泉温が25℃以上のものを指しますが、温度によっても分けられています。

  • 高温泉は42℃以上
  • 温泉(普通泉)が34℃以上42℃未満
  • 低温泉が25℃以上34℃未満
  • 冷鉱泉が25℃未満

このように分けられます。

名前と関連して、高温泉に入る高温浴、低温泉に入る低温浴、普通泉に入る微温浴と入浴法の区分にも使われます。

また冷鉱泉を水風呂のように寒冷浴として医療用に使うこともあります。

高温泉の温度があまりに高い場合は冷まして使う必要が出てきます。このときに用いられるのが湯もみです。草津温泉の名物ですね!

液性(pH)による分類

温泉は場所によって酸性かアルカリ性か変わってきます。湧出時のpHによって分類がされています。

  • アルカリ性泉 pH8.5以上
  • 弱アルカリ性泉 pH7.5以上8.5未満
  • 中性泉 pH6以上7.5未満
  • 弱酸性泉 pH3以上6未満
  • 酸性泉 pH3未満

学校で習う中性はpH7.0ですが、ここに記載されている中性泉はなぜpH6~7.5と幅があるのでしょう。

これはpHが温度に影響される性質からくるものです。

中性がpH7.0というのは、水の温度が25℃だった場合の値なのです。

5℃の場合は大体pH7.4程度になり、40℃のときはpH6.7、80℃になるとpH6.0程になってしまいます。

実際に測定する場面ではpHメーターは標準溶液で校正したものを使用しますが、源泉が高温である場合、どうしても測定が難しい面があります。

このことから、源泉の温度に対応するためこのような幅を持たせているのです。

また余談ですが、分類には記載されていませんが温泉にはpH2以下の強酸性や、pH10以上の強アルカリ性も存在します。ただ、その状態では刺激が強すぎるので、実際には薄めて使うためそのような区分は設けていないのです。

筆者はpH12の強アルカリ性洗浄液に素手を突っ込んでしまった経験がありますが、このときは手がヌメヌメになったあと、肌が荒れてバッサバサになりました。

浸透圧による分類

浸透圧とは半透膜(溶質を通さず溶媒のみを通す膜)を隔てて、濃度の違う溶液間で生じる圧力のことです。

温泉には様々な物質が溶けているので浸透圧を持ち、次のように分類されます。

  • 高張性泉(高張泉) 10,000mg/kg以上
  • 等張性泉(等張泉) 8,000mg/kg以上10,000g/kg未満
  • 低張性泉(低張泉) 8,000mg/kg未満

低張や高張は何を基準にしているかといいますと人間の体液です。人間の体液の浸透圧はおよそ8800mg/Lであり、この濃度を等張液としています。(例:生理食塩水)

また、温泉法には凝固点も記載されていますが、浸透圧がポイントなのでここでは割愛します。

化学成分による分類

温泉の定義療養泉の定義で化学成分を取り上げてきました。

療養泉には10種類の名前がありますが、大きく分けて3つに区分されます。

  • 塩類泉(溶存物質総量が1000mg以上のもの)
  • 単純泉(溶存物質総量が1000mg未満のもの)
  • 特殊成分を含む療養泉

泉質による名前の付け方

鉱泉の名前の付け方は法令によって決められています。

はじめに、化学成分による区分を記します。次に、浸透圧、液性、泉温の順に区分を並べます。

例えば、【塩類泉 等張性 中性 高温泉】というような感じです。

その他にも細かい区分がありますが、原則として成分の多い順に記載されていると考えるとよいでしょう。

例えば、ナトリウム-塩化物冷鉱泉の場合は、

陽イオンの主成分としてナトリウムイオン(Na+)5500mg/kg以上含み、陰イオンの主成分が塩化物イオン(Cl-)8500mg/kg以上を含む塩類泉で、泉温が25℃未満の鉱泉ということです。

また副成分といわれるもっと詳しく区分もありますが、あまり細かいことは気にせずこういう物質が多いんだなという認識で読むと分析表から泉質が予測しやすいと思います。

療養泉のことを頭の片隅に置いておくとより理解が深まりますよ。

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