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最近では「理系クン」や「理系の人々」、「理系が恋に落ちたので証明してみた」など理系分野の職についた人々の特徴を描いた作品が多く出版されています。
現場にいる人間としては面白い反面、ホンマかいな!?と思うことも多々あります。
今回は全力で水を差しまくり、野暮を炸裂させ、跡を濁してやろうと意気込んでおります。
目次
ぶっちゃけ俗人だらけ
漫画やドラマに出てくる理系男子といえば、眼鏡に白衣を着て「実に面白い!」とつぶやきながら理屈っぽいことを言っちゃってる人間を思い出すかもしれません。
現場にいる人間からすると「こんなヤツばっかりおらへんがな!」と言いたくなります。
福山雅治ならむしろいっぱい居て欲しい。
「君よずっと幸せに~」とか歌いながらボルテックスかけていてほしい。
残念ながら多くの人は俗人であり、テンプレ通りではありません。
- 「キャビンアテンダントのパンツが見たい」
- 「金髪ボインで水着のオネーチャンを助手にしたい」
- 「アイツ俺より仕事してないのに年収が一緒でムカつく」
- 「あの人は○○大学(大体はここにMARCHや旧帝大を除いた大学名が入る)だから、微妙だよね」
- 「○○くん!いいもの見つけたんだ!!(洋モノAVを持ちながら)」
以上、皆のあこがれである【クールでドライかつ硬派なカッコいい理系男子】にあるまじき欲望まみれの会話集でございました。
大学も民間企業も務めましたが大体似たようなものです。
現実は非情である。
理系職は基本的に男社会(分野によっては女社会も存在する)なので、金と女と地位の話は結構な確率で出てきます。
アクの強い話は中堅やベテラン層に多いです。
若い人はペーペーか新人が多いためか(そして穢れが少ない)趣味や研究内容など割と真面目で、万人に当たり障りのない話を好んでいるような気がします。
共通して言えるのは、パチンコや競馬などギャンブル系の話があまり出てこないところです。
利益の期待値が低いと分かり切っているからでしょうか。この辺は理系ならではかもしれません。
白衣は作業着であるし、ビーカーでコーヒーは飲まない
いつも白衣を着ているイメージがついていますが制服ではありません。作業着という位置付けです。
生物系では白衣を着ないところもあります。数学や情報系に白衣は必要ありません。
医療系は作業着としてだけでなく、シンボリックなものとして着用する場合もあります。
白衣には危険な薬品または血液や細胞などの実験サンプルから身を守る役割がありますし、反対に自分から出るホコリや汚れから実験サンプルを守る役割も果たします。
白衣の種類によっては静電気の抑制が図られていることもあります。
たまに返り血が付いている白衣を目撃することも……
以上のことから白衣は汚れ物として扱います。
そのため白衣を着たまま飲食するのは、変なものを食べないためにも、コンタミネーション(実験中に変なものが混ざること)を防止するためにもオススメしません。
コンタミの影響が少ない分野では、着たまま飲食をしている人が結構います。
ビーカーでコーヒーを飲まないのも同じことです。
私は周囲の影響を強く受ける仕事を扱っておりましたので、目の前でそんなことやったら即しばき倒します。
見た目は地味で真面目そう
あながち間違いではありません。
真面目なのは、真面目にしないと仕事にならないからです(笑)
見た目が地味なのは無頓着な人が多いから。
しかし眼鏡を掛けている人は意外と少ないです。「視力が2.0です。」という人が結構いて驚きました。
服装にこだわりのある人もいますが少数といった感じです。
緩い規則の職場なら見た目も結構華やかで多種多様になります。
- いつも英国紳士みたいな人
- 頭がオレンジ色の人
- 湘南系の軟派サーファー
- シルバーアクセサリーてんこ盛りのパンクロッカー
- ズボンが貧ぼっちゃま
余談ですが、妙に清潔感がある、装いがお洒落である場合は奥さんや彼女がいる可能性があります。
そういう人は女性にモテますからね。
とはいうものの、高収入のイケメンだけど偏屈すぎて全くモテないという人は少なからず存在します。
好条件で結婚したい女性陣には穴場ですが……。
いつも理論で考えて……ねーよ!!
どんなに理屈っぽい人でも最終的には感情で動きます。
日常生活において多くの人は感情が先で理論は後付けにすぎません。
「これは変だぞ?」と疑問に感じる機会が多く、とりあえず理詰めで考える習慣があるくらいです。
何でもかんでも理詰めが正しいなんてことはなく、前提が間違ったまま話が展開してしまうなんてザラです。一方的な思い込みだって盛り沢山です。
要するに、”理論っぽいことを言っているだけ”がいっぱいいます。
この辺を結構誤解されてしまうように感じます。
勉強ができるというより、勉強するのは当たり前
勉強ができるというのはせいぜい通知表が渡される学生時代までの話で、仕事になるとどうでもいい話となります。
研究においては過去いかに優等生だったかより、粘って粘って粘りまくる執念の強さが勝ちます。
仕事は結果を出すことが最優先なので勉強は手段に過ぎません。だから当たり前のように勉強します。
もちろん好奇心旺盛で興味があるからこそ、知りたくてやっている面が強いです。
勉強ができるという面であまりパッとしない人でもすごい成果が出るのは、当たり前に勉強し、成果が出るまで粘る強いハートの持ち主であるからです。
何でも知っている訳ではないが……
理系なら科学分野について何でも知っているように思われがちですが「分野外の話はさっぱり分からん!」というのはよくあることです。
生物系の研究者なら物理は全然な方は多いし、物理系では化学は全然という人もいます。
生物や化学を専攻している人においては、数学は最低限だけという人も多くみられます。
Excelが全然だめな人も普通にいます。(つまり手計算してセル入力。恐ろしい!)
基礎化学すら危うい人もごく少数ながら紛れています。(これは理系学部出身なだけで実技を伴わない人)
決して皆が科学万能!!ではありませんが、分野関係なく広い教養をもっている人は結構います。私が接してきた人々には、理系研究者だけれども哲学や文学、歴史など文系に造詣が深い人を割と見かけます。
中堅・ベテラン勢もしくはハイレベルな若手に対して、まともに相手をしてもらおうとするならそこそこの教養は持っておくべきでしょう。
くれぐれも「いい天気ですね~」で終わらせないように!
「そうですか」と塩対応をされて終わりです。(ホントにあった事例)
理系男子のテンプレ外にこそ真の魅力がある
「白衣、眼鏡、真面目」「クールでドライかつ硬派」など理系男子にはお堅い人というレッテルが貼られていますが、その実その辺の人と大して変わらないという、夢も希望もないお話となりました。
個人的に思うのは、白衣の下こそ一番の萌えポイントだということです。
最初に理系男子も俗人がほとんどであると書きましたが、この俗っぽさが人となりとして現れるから魅力的なのです。
特に上下関係があると、俗人丸出しの本音の部分というのは中々見られないもので、本当に理系男子のテンプレ通りに対応されてしまうこともあります。
関わっていく中でその人がいかにもな理系男子っぽくなくても、それはそれでレアな魅力なのではないかと思います。