コリックがトレンド入りしていることに驚きました。
筆者も育児真っ只中でありコリックも経験済みですが、コリックって意外と日本に浸透していないのか!?
今回は「コリック」とはなにか、黄昏泣きとの関係を紹介します。また、コリックの対処法も紹介します。
コリックとは
コリックとは生後2~3か月の赤ちゃんが夕方から夜にかけて泣き始めることです。
日本語では黄昏泣きとも言われ、対処としては抱いてあやすくらいしか浸透していないようです。
コリックを日本語訳すると「疝痛(せんつう)」
意味は、発作性による腹部の激痛です。
要は、赤ちゃんはお腹痛くて泣いているというニュアンスです。
原因はお腹のガス
産婦人科で授乳後にげっぷをさせる指導が入っているのは、赤ちゃんの嘔吐を防ぐためと、ガスが溜まらないようにするためです。
赤ちゃんは自分でげっぷをしたり、おならをしたりするのは下手くそで、お腹が張ることがよくあります。
そのお腹の張りが腹痛となって泣いてしまうのです。
今回トレンドワードとして日本中に認識されたのは、「Labarumラバルム 」さんがツイートしていただいたおかげです。
世界の事情がどうなっているのか知らなかったので、私もお礼が言いたいくらいです!
私「教え子に赤子生まれたからコリック用ガス抜きチューブ送る」
夫「?日本で買えばいいんじゃ?」
私「それが日本じゃ売ってないんだ、存在すらしねえ」
夫「?!?!」
コリックに黄昏泣きなどと意味不明なネーミングをしママにのみ無駄な苦労を強いる謎の根性論大国日本
今何世紀だったっけ? pic.twitter.com/hms48zfKrj— Labarumラバルム (@antiquelabarum) November 3, 2017
カテーテルでガス抜きが出来る
簡単に説明すると、肛門からカテーテル(管)を挿入し腸内に溜まったガスを抜くことで、お腹の張りを改善します。
浣腸の一種であり、お堅い言葉で言えば「駆風(くふう)浣腸」です。
肛門に挿入する前に、カテーテルの先にワセリンを塗り、入りやすくしてから使用します。
少しずつゆっくりと入れてみて、ラッパ部分から「ぷす」と音がすればOKです。
これが一番手っ取り早い対処だと思います。
参考動画:うんち注意!
ロシアの動画では太いカテーテルを使用していますが、女性用の導尿カテーテルで代用している国もあるようです。
記事にUPされていた動画見るとまさに導尿用カテーテル、で気になって調べたらイタリアで使われているのも導尿用(女性)カテーテルでした。それを代用するのがイタリア育児現場のデフォルトの様です。一方アメリカはコリックガス抜き専用、きちんとした仕様のチューブが売られているという違いが発覚
— Labarumラバルム (@antiquelabarum) November 4, 2017
一方アメリカではコリック用にカテーテルがあるみたいです。
動画をみて戸惑う方もいたかと思いましたが、大丈夫です(笑)
もちろん日本には女性用導尿カテーテルが販売されています。
ちなみに日本では黄昏泣き対策としてのガス抜きは一般的ではありませんが、乳児の在宅看護としてガス抜きの手技は存在します。
その際はネラトンカテーテルという、先端が鋭くないシリコン樹脂製のものを使用します。
カテーテルの使用が怖い人向け
なんやかんやで肛門に管を挿入する訳ですから、怖いと思って当然です。
大事なのはお腹の中のガスが抜けること。
カテーテルの使用が怖い人には、コリック抱きやお腹マッサージをおすすめします。
腸内のガスに直接アタックするカテーテルよりは効果が一時的かもしれませんが、その分怖さは少ないので対処しやすいかと思います。
コリック抱き
赤ちゃんを腹ばいのような姿勢で抱っこします。
動画を見るとイメージしやすいです。
お腹マッサージ
おへそを始点にして“の”の字を書くようにお腹をゆっくりと押してマッサージします。大腸を刺激しておならやうんちを出やすくします。
上手くいくと「ぷり」っとスッキリしてくれます。
参考
アメリカの小児科医が赤ちゃんを泣き止ませる抱き方を紹介しています。
まず赤ちゃんの腕を胸の前で組んで優しく抱きかかえます。
赤ちゃんの体は45°の角度にし、首がガクンと曲がらないようにします。
また首の固定をするときは、手でガシッと持つというより、顎の下で人差し指と親指で輪っかを作り、そこに赤ちゃんの顎を置く感じです。
もう片方の手はお尻を支え優しくゆすります。
頭はゆすらないようにしてください。
100%コリックが原因ではない
「なんだ、日本は遅れているだけなのか」
「コリックなら対処すればいいのか!」
とはいえ、100%おならが原因ではありません。
別の異変があっても泣きます。
何をしようが泣くときは泣きます。
私も子供のコリック対策を行ってきました。健康状態はOKでも、ガス抜きしようが、抱っこしよう、おくるみしようが「アカンときはアカンわ!」というのが本音です。
夕方に不穏になるのは何も赤ちゃんに限ったことではなく、高齢者も夕暮れに不穏を覚えることがあります。
きっと人間は、黄昏時になると、日が暮れる様子からかなにやら寂しくなって、物悲しさを覚えるのでしょう。
しかしながら、今まで赤ちゃんをあやす根性技しか知らなかった中、新しい可能性が開けて世のお母さん方も目の前が明るくなったかと思います。
お腹が痛くて泣いている赤ちゃんも、お母さんたちにコリックの知識が浸透することで、気付いてもらいやすくなりますね。